Tin Robot Toys


Robby Robotの解体と解説

Updated 8/15/2016



野村トーイが1960年代に発売をしたメカナイズドロボット(通称:ロビーロボット)は
マスダ屋の5ギャングほどの価値、アサクサトーイのサンダーロボットほどの希少性はないかも知れない。
ロボットの代名詞である「ロビー」の名に恥じない作りとメカニズムを持つメカナイズドロボットは
野村トーイのロボット職人の魂とプライドが込められた最高の傑作です。
その作りの素晴しさは、もはや玩具とは呼べない領域の作品であり、後にも先にもロビーを超えるロボットは存在しない。

Robbyロボットはコレクターの必須アイテムであり、RobotコレクションはRobbyに始まりRobbyに行き着くと言われる

そのロビーの魅力を探る意味でも、30年前に米国のオークションで手に入れた秘蔵品のロビーを解体をしてみる事にした。



先ずは、全体像を各部を見ながら解説します

ロビーの全体像です。

仕様は:高さ 33cm x 幅 12cm
   重さ 750g
   単一電池 2個を脚の部分に収納
動作: 足を左右に動かし前と同時に右に曲がりながら進む。
     ドーム内のピストンが上下し耳のアンテナが回転する。
     ドーム内と胸のレンズが光ります。
      
ヘッド部分のプラスティックドームはリプロの交換パーツが
手に入ります。
ロビーの初期型の見分けは足の電地ボックスの留ノブの
形で分かります。この様に丸いノブが初期型、
後期は蝶型をしています。
後ろ姿は重厚です。ロビーはブリキの厚さが通常のロボットより
厚く、その為重量も750gと重い。(通常は500g以下です)


各ポイントについて
 ヘッドドーム    グリップ     電池ボックス    ローラ      ドームのネジ

ロビーの外回りから見る注意すべき部分です。

ヘッドドーム: ヒビ、曇りなどが発生しやすく、経年数を考えると綺麗なままオリジナルを保っているのは不可能に近く、多くはリプロと交換されている。
グリップ: これも同様で、経年を考えるとゴムが劣化していて当然である。 リプロがあるので交換はできる。
電池ボックス: 錆が一番出易く、電池の液漏れによる錆は致命的で補修は簡単には出来ない。
ローラー: 右足のローラーは曲がるメカニズムを組込んであり、ロビーの隠れた機構部分である。
また保管をショーケースなどで行う場合は、本体が重い為にローラーが潰れてしまうので、支えを工夫をしないとローラーがダメになる。
次章でローラーの分解交換を詳しく説明しています。
ドームのネジ: このネジ1本でドームを留めています。

 



1)ローラの分解と交換


 足の裏側    特殊ツール     足底のタブ   タブ(反対側)  足底を脱す


ロビーの足底の取り外しは意外に簡単である。 足の後ろ側の2か所が留まっているだけで、ツールを使って爪を起こすだけで取り外せる。
注意すべきは、留は何度も起こすと爪が折れてしまうと、接着剤で固める以外は組み上げられなくなる。

右足には、操舵する為のメカが装備されており、前進する際にカムで舵を切るようにローラーが操舵される。
こんな仕組みがロービーのローラーには仕込まれており、凝った作りになっている。


経年変化で駄目になったローラーの交換は、このメカを分解するので結構大変な作業です。

取り外したローラーのメカは堅牢に作られており、分解するのは
結構大変である。 しかし、こんなメカを組込んだ野村トーイの
ロボット職人のこだわりを感じる。
案の定、ローラーはボロボロで使い物にならず、交換以外に
修復の方法はない。 しかしローラーの部品は無い為に何かで
代用しなければならず、色々探した結果が・・・・・
この緑のホイールの間にローラを入れなければなりません。
その為には、爪を起こしてバラバラにしてシャフトを引き抜いて
ホイールとローラーを修復しなければなりません。
ここで代替品を色々探して、水道栓のコマを見つけ、ゴム製の
パッキンを外してローラーに組込んでみました。
なんと、このパッキンがサイズもぴったりで、この様なローラーが
再生できました。この作業で代替品を見つけるのを含め
2日の時間が掛かりました。
後は組み付けるだけです。



2)本体の分解とベルトの交換

ロビーの本体の分解はそれほど難しくはなく、通常のブリキロボットの分解とあまり変わりはないが、外す順番を間違えると上手くバラせない。
コツは頭からバラシて行く事である。
今回は殆どのロビーで交換の必要があるベルトの交換を行う。 リプロのロビー(大阪ブリキ)などはこの部分をギアに変更してある。
ベルトは交換部品はないので、何処でも手に入る3mmのポリウレタンベルトを調整して使用する。

ドームのネジ   吸気ブラケット サイドの留レール 背中の爪     ベルト      モーターとギア

分解手順

先ずはヘッド後ろのネジを外し、ドームを取り外す
ドームは前の爪と後ろの爪で、引っ掛けてあるだけなので、
引っ張れば外れるが、ドライバーなどでゆっくりこじ開ける様に
外すのがコツです。 爪が割れると使えなくなります。
ドームを外したら、プロペラの金具を外します。
この金具が最初の本体の留部分になります。
外すとこの様になります。 爪を折らないように慎重に。
耳の下のインテークを外すと、本体の留が現れますので、
留ワッシャーを外してください。
左右の本体わきの留レールの爪を広げて、外れる様にします・
レースは3ヵ所で留まっていて、レールは本体を開くまで外れません。
肩の部分で挟み込まれていますので、曲げないようにしてください。
後は、本体下の前後2か所の爪を起こし、背中の2ヵ所の爪を起こします。
これで、本体の爪の処理が完了します。
ここが最後の部分です。 耳の後ろ側の留爪を起こすと本体の後ろが外れます。
こんな風に、背中が外れます!
ここまで外した部品を並べてみました。これだけ外せば分解できます。
これがベルトに使う、ポリウレタンのベルトで、1mで100円位で手に入ります。
ポリウレタンは、経年変化にも強く、熱溶着で完璧にベルトとして使えます。
今回は、φ3oの物を使いました。
ベルトの長さを決めて、半田鏝などで両端を溶かして溶着させてください。
こんな風にベルトが完成します。
今度は本体の前側を外してみます。電源スイッチのカバーを外し、両側の爪を
起こすと前半分が外れます。
これで、ロビーの3枚おろしの完成です!
ギアボックスは堅牢な作りですが、至ってシンプルです。
モーターのブラシの清掃をする事をお勧めします。
モータはブラシ以外に問題が出る事は少なく、ここまで分解したので点検を。
後は組み立てるだけです。
ロビーが元に戻りました!!

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